著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病の新常識 「血糖」「血圧」「脂質」のチェックが重要

公開日: 更新日:

 次に、「糖尿病=血糖のコントロールが重要」というかつての考えから現在は「糖尿病=血糖、血圧脂質のコントロールが重要」という考えにシフトしてきていることを強調したいと思います。糖尿病は動脈硬化を進行させる病気のひとつであり、将来を見据えて治療を行う場合、血糖のコントロールだけでは不十分であることが明らかになっているからです。

 昨年10月の学会でインドの研究者が発表した論文は、食物繊維の摂取量の増加で血糖、血圧、脂質すべてが低下し、動脈硬化の進行が抑えられ、心・脳血管障害のリスクを下げることができたという内容でした。

 これら血糖、血圧、脂質は、一年の中でも変動することも押さえておかなければなりません。定期的に病院にかかっている人は別にして、たいていの人は、これら3つの数値を年に1回、健康診断の時に測定するだけでしょう。特に春~夏にしか測定していないという人は、今現在、思っている以上に数値が高くなっている可能性があり、要注意です。春~夏より秋~冬の方が、血糖、血圧、脂質の数値が高くなることは、私たちが行った研究ではっきり示されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑