急ピッチで進むワクチン開発で新型コロナの危険度が分かる

公開日: 更新日:

 市場に出回るようになるまではまだ時間がかかりそうだが、いずれ新型コロナウイルスワクチンが完成するのは間違いない。感染を予防できるレベルまで抗体の量がつくられるのか、効果が持続する期間はどれくらいか、何回接種すれば抗体が生着するのかなど、臨床試験で確認されるまでどうなるかもわからない。ただ、少なくとも「ワクチンができる」ということは、新型コロナウイルスはそこまで恐れるほど強力なウイルスではないという証左といえる。

 岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。

「今回の新型コロナウイルスと違って、たとえばエボラウイルスやラッサウイルス、HIVといったウイルスの感染症に対するワクチンは今も完成していません。理由はいくつもありますが、まずは危険度の問題があります。エボラやラッサは致死性の高い重篤な疾患を引き起こし、感染力が高い強力なウイルスで、バイオセーフティーレベルは最も高いレベル4に指定されています。このクラスのウイルスの実験を行うにはレベル4施設が必要で、日本では現時点で2カ所しかありません。世界でも50カ所足らずなので、なかなか研究が進まないのが現状です。新型コロナウイルスの臨床検体の取り扱いはインフルエンザと同じレベル2施設で、大量増殖や実験はレベル3施設で行われます。つまり、致死性や感染力の危険度はそこまで高くないと判断されているということです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」