急ピッチで進むワクチン開発で新型コロナの危険度が分かる

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 市場に出回るようになるまではまだ時間がかかりそうだが、いずれ新型コロナウイルスワクチンが完成するのは間違いない。感染を予防できるレベルまで抗体の量がつくられるのか、効果が持続する期間はどれくらいか、何回接種すれば抗体が生着するのかなど、臨床試験で確認されるまでどうなるかもわからない。ただ、少なくとも「ワクチンができる」ということは、新型コロナウイルスはそこまで恐れるほど強力なウイルスではないという証左といえる。

 岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。

「今回の新型コロナウイルスと違って、たとえばエボラウイルスやラッサウイルス、HIVといったウイルスの感染症に対するワクチンは今も完成していません。理由はいくつもありますが、まずは危険度の問題があります。エボラやラッサは致死性の高い重篤な疾患を引き起こし、感染力が高い強力なウイルスで、バイオセーフティーレベルは最も高いレベル4に指定されています。このクラスのウイルスの実験を行うにはレベル4施設が必要で、日本では現時点で2カ所しかありません。世界でも50カ所足らずなので、なかなか研究が進まないのが現状です。新型コロナウイルスの臨床検体の取り扱いはインフルエンザと同じレベル2施設で、大量増殖や実験はレベル3施設で行われます。つまり、致死性や感染力の危険度はそこまで高くないと判断されているということです」

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