著者のコラム一覧
小堀鷗一郎医師

1938年、東京生まれ。東大医学部卒。東大医学部付属病院第1外科を経て国立国際医療センターに勤務し、同病院長を最後に65歳で定年退職。埼玉県新座市の堀ノ内病院で訪問診療に携わるようになる。母方の祖父は森鴎外。著書に「死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者」(みすず書房)。

「生かす医療」を切り替えるターニングポイントがある

公開日: 更新日:

「医学教育を受けた医者はみな『救命・根治・延命』を第一に考えます。私が外科医をしていた時も、この3つを必要とする患者さんはたくさんいました。しかし医療に求められているのは、それだけではない。穏やかな最期を迎えるための『死なせる医療』もある。在宅医療に関わるようになって初めて、私はそれを知りました。こんな話をすると、患者も医者もみな『死は敗北』と嫌がりますが、人生の最後の医療は生かすためのものとは限らないのです」

 人間誰しも、いずれは死を迎える。できれば幸せな最期を迎えたいものだが、それは「生かすための医療」が前提でないかもしれない。

 97歳で独居の男性患者がいた。ひどい認知症で会話もままならない。それでも小堀さんは、ある種の友情が芽生えていると感じられた。ひっくり返した植木鉢を椅子代わりにして玄関先で小堀さんの来訪を待ち、会えば釣りの話をした。そんな付き合いが3年6カ月続いたという。

「毎日の生活は充足しているように見えましたが、ある冬の朝に一変しました。看護師が訪問すると布団を掛けずに寝ていて体が冷たい。すぐに遠方に住む息子に連絡、救急搬送後に入院加療となったのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網