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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

がんの抑制に期待 古くて新しい薬「メトホルミン」に注目

公開日: 更新日:

 AMPKは、細胞のエネルギーが低下している時にグルコースと脂肪酸の取り込みと酸化を活性化する酵素で、この活性化で代謝が良くなり、インスリン抵抗性が改善されます。

 また、がん化した細胞やウイルス感染した細胞などの殺傷・除去に関わるキラーT細胞「CD8」をメトホルミンが活性化させるという研究結果や、高血糖で過剰に産生されるミトコンドリア由来の活性酸素をメトホルミンが抑制し、がんや心血管障害などのリスクを下げるという研究結果も報告されています。

 糖尿病は膵臓がんをはじめ、さまざまながんのリスクを高めますから、メトホルミンがそのリスク低減に役立つなら、その意味は非常に大きいと言えます。

 また、10月に行われた日本糖尿病学会では、メトホルミンが腸内にすむ細菌叢「腸内フローラ」にも関係していることが発表されました。

 メトホルミンの服用で、腸内フローラに良い影響をもたらし、血糖値が低下するというのです。

 メトホルミンの注意点として、乳酸アシドーシスという副作用のリスクは低くなったとはいえゼロではないので、手術前や造影剤を使用する画像検査前後では、一時的に使用を中止すること。

 また、腎臓が悪い患者さんでは、薬剤の排泄が減少し、血中濃度が上昇する恐れがあります。特に腎機能が落ちている75歳以上の高齢の患者さんでは、メトホルミンの使用は慎重にならなければなりません。

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