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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

「食」が生きる気力に 好きなものを好きな時に食べられる

公開日: 更新日:

 男性が常々口にしていたのが、「人間っていうのは気力が大切やね。僕の場合は何かを食べたいと思うことが元気の証しやね」。ワインが大好きで、体としてはもうアルコールを受け付けられる状態じゃなかったのですが、ワインを一口飲んだり(なめると言う方が合っているかもしれません)、亡くなる1カ月前には、前回参加時には「これがもう最後」と思っていた仕事仲間との同窓会にも参加し、仲間とたくさん飲んだり食べたりしていました。

 そして「先生に会えなかったら人生が狂ってた。80年生きて、最後にこんなに素晴らしい人生を送れると思わなかった」と言葉を残され旅立たれていかれました。

 みとった奥さまも、「退院する時に先生はあと1~2週間かもとおっしゃっていましたが、長すぎることもなく短すぎることもなく、結果としてホスピスに入らなくて本当によかった。病院とはまったく違う対応をしていただき、病院だとこんなふうに過ごせなかったと思います。次は私も診てくださいね」とおっしゃってくださいました。

 医師によっては、「食べたら誤嚥を起こしてしまうからやめましょう」「胃ろう(胃から直接栄養を摂取するための医療措置)にしましょう」といった判断をするかもしれません。そういう場合、患者さんや家族が誤嚥というリスクを十分理解し、医師と認識を共有する必要があります。患者さんに「食べたい」という気持ちがあるなら、家族も医師もそれを止めるべきではないと、私は考えています。

【連載】最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

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