著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「小児科」26.6%、「耳鼻科」21.7%と医療費が大激減

公開日: 更新日:

 反対に壊滅的とも言える影響を受けたのが、「小児科」と「耳鼻科」(耳鼻咽喉科)であった。小児科では、1月までで患者数が32・3%減り、医療費(=診療所の収入)が26.6%減った。とくに第1波の落ち込みが際立っていた。昨年5月の患者数はなんと前年の半分以下(51.1%減)だった。その後も回復は進まず、10月になってようやく回復の兆し(それでも14.1%減だった)が見えたかに思えたが、11月以降は再び前年を大きく下回った。

■インフルなど子供の感染症激減が理由か

 第1波で患者が減ったのは、緊急事態宣言の心理的インパクトが大きかったこともあっただろうが、インフルエンザをはじめとする「子供がかかりやすい感染症」が激減したことが響いたからだと考えられる。実際、2020年3月(すでにインフル患者がほとんどいなくなっていた)の時点から、小児科では患者数が大幅に減り始めていた。小中学校のプールが閉鎖されたため、夏に多い咽頭結膜熱(プール熱)がほとんどゼロになったし、ほかにも手足口病、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、ムンプスなどが軒並み大幅に減った。加えて感染性胃腸炎も過去10年間で最低の水準だった。つまりコロナ対策によって、子供の細菌性やウイルス性の病気が劇的に減ったため、小児科の需要も大幅に減ったというわけである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か