著者のコラム一覧
池田和彦新宮アゼリア薬局・管理薬剤師

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

痛みを抑える外用薬は手軽だからといって安易な過剰使用は厳禁

公開日: 更新日:

 貼付薬や塗布薬は、飲み薬に比べると重大な副作用は起こりにくいとされていますが、貼ったり塗ったりすることで、皮膚から吸収された有効成分の一部は血液中に取り込まれて全身に回りますから、飲み薬を飲んだ時と同じような状態になります。過剰な量を継続して使い続けていると、それだけ副作用を起こすリスクも高くなります。

 有効成分が直腸の粘膜から吸収される坐剤は、より飲み薬に近いといえるので、それだけ副作用に注意が必要です。

 また、貼付薬は患部に貼って使用するため、皮膚のかぶれやかゆみが出るケースも多く見られます。塗布薬は手軽に使えるうえに使用感も良いため比較的人気がありますが、軟膏の油分で皮膚がベトついたりローションに含まれるアルコール成分などにより皮膚の刺激感が出たりするケースがあるようです。

 貼付薬や塗布薬は、飲み薬よりも安全性が高いというイメージがあるためか、過剰に使用している人も少なくありません。貼付薬の場合、医療機関で処方できる1処方当たりの貼付薬の枚数は制限されていますが(2022年度診療報酬改定で上限63枚)、市販のものも入手しやすいため、併用して大量に貼っている人もいます。

 繰り返しになりますが、貼付薬でも塗布薬でも坐剤でも、過剰な使用は重大な副作用のリスクを高めます。くれぐれも適切な使用量と使用法を守りましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも