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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

「5W1H」を徹底した報告が患者と家族のQOLを向上させる

公開日: 更新日:

 最近、院内で改めて取り組んでいるのは、正しい言葉で人に伝えるということです。日本人なら日本語が話せて当たり前と考えるかもしれません。

 しかし実はきちんと日本語を話すことができる人と、できない人との間では開きがあるものなのです。経営者や管理職の方などは経験があるかと思いますが、日頃からスタッフに対して、「相手に伝わる日本語」を話すことを求めています。

 たとえばあやふやな報告をしてきたら、それを修正し、誰が誰になにをして、いつどうなるかを整理してもらう。主語を省かず、述語もしっかりと伝える。だから「てにをは」をきちんと使うことを意識しています。

 これを徹底するだけでもスタッフ同士の間はもちろん、患者さんやご家族との間の情報共有もスムーズになり、また誤解が生じなくなりました。結果、患者さんやご家族のQOLが確実に向上するのです。

 近い将来、在宅医療はもっと拡大するでしょう。すると、高齢者の終末医療にかかわらず、あらゆる領域の医療が在宅で、容易に行えるようになる。そしてそんな地域を実現していきたい。そのためのパートナーになりたいと考えています。

 地域とつながる。患者さんやご家族ともつながる。スタッフ同士もつながる。コロナで社会の連携が寸断され脅かされたことで、いっそうその大切さを噛み締めています。良質な在宅医療の確立のためにも、今後「つながり」がますます必要になっていくものと思い知らされたのでした。

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