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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

直腸がんで手術6回の坂本龍一さんを深掘り「一がん息災」の重要性

公開日: 更新日:

 YMO以来のファンとして衝撃を受けました。教授の愛称で知られるミュージシャンの坂本龍一さん(70)が、ステージ4の直腸がんであることを公表したことです。それが見つかった経緯もショッキングで、国内外で話題を呼んでいます。

 病状を明かしたのは、文芸誌「新潮」です。新連載「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」につづっています。

 昨年1月、直腸がんとその転移巣の手術を受けたことを公表していました。意味深な連載タイトルが象徴するように、病状はもっと深刻だったのです。今回は、このことを深掘りしましょう。

 連載によると、2020年6月に米NYで直腸がんと診断。化学放射線療法で治療したとのこと。がんは消えず、日本での仕事で帰国し、ついでに人間ドックを受けたところ、直腸がんは肝臓やリンパ節に転移していたそうです。

 そのとき、化学放射線療法を終えて3カ月。NYの病院で転移の事実が告げられなかったことに不信感を抱きます。見落としていたのか、何らかの理由でぼくに黙っていたのか。詳細が分からないので推測ですが、直腸がん(大腸がん)はステージ4で転移があっても、転移巣の数が少なければ積極的に切除します。ステージ4の大腸がんを4度の手術で克服した鳥越俊太郎さんは典型でしょう。転移がなければ当然手術で、NYの病院が見落としていれば、すぐに手術をしていたと思われます。

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