著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

予後宣告は3カ月…自宅で思う存分の「口げんか」すら愛おしい

公開日: 更新日:

 自宅での療養をスムーズに始めるにあたり、さまざまな事前準備を行います。それを環境整備と呼んでいます。

 たとえば、ポータブルトイレ、車椅子、手すり、杖などをそろえます。患者さんのADL(日常生活動作)に合わせた補助器具の手配、部屋や廊下への手すりを設置するなどのバリアフリー化も必要です。

 介護認定は申請してから認定まで通常1カ月かかるため早めに動き出さなければなりませんし、介護認定がされるまでのつなぎとして医療保険の適用も申請しなければなりません。患者さんのQOL(生活の質)の向上とご家族の負担軽減のために、やるべきことはたくさんあります。そして、その環境整備の中に、患者さんとご家族の心の準備も重要な要素としてあります。

 患者さんは果たしてなにを望んでいるのか? ご家族の思いは? 不満は何か? 他人の私たちに対して我慢して言わないでいることはないか? これらを確認することも、環境整備として大切な作業となるのです。

 最近になって在宅医療を開始した80歳の男性で、前縦隔扁平上皮と縦隔リンパ節、さらに肝臓の進行がん末期の患者さんがいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋