骨粗しょう症には歯の治療で骨が腐る「顎骨壊死」のリスク…骨吸収抑制薬の長期服用で誘発

公開日: 更新日:

■休薬してから治療が行われるケースも

 それでもリスクが考慮され、骨粗しょう症の治療で長期間ビスホスホネートを服用している人が抜歯などの外科的な歯科治療を行う場合、当初は「3年以上服用している人は3カ月の休薬の後で処置を行う」とされていた。該当する患者が来院した場合、まずは骨粗しょう症治療の担当医に「外科的な歯科治療を行いたいので3カ月程度の休薬が可能かどうか」を手紙などで打診し、問題がなければ休薬後に処置を行う。休薬が難しいケースでは、まずは口腔内の炎症をできるかぎり少なくするために歯石除去や殺菌などの処置を行ったうえで、治療の1時間前に抗生剤を服用してもらってから実施する手順だったという。

「しかし、さらに骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の研究が進んだ結果、『4年以上の服用で少なくとも2カ月の休薬』に変更となり、現在は『低用量であれば休薬は必要ないのではないか』とされています。今年3月、米国口腔顎顔面外科学会による予防・診断・治療の指針の改定で、そう言及されたのです。これを受け、いまは休薬ができなかったケースと同じような手順で治療を行っています」

 ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬は骨粗しょう症に対して非常に有効な薬なので処方されている患者は多い。歯科治療を受ける際はお薬手帳を持参したり、治療前に使っている薬を歯科医に伝え、しっかり指示を仰ぐ。自己判断での休薬は絶対にやってはいけない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル