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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

TBS向井政生アナが他界…唾液腺がんは顔面神経の再建が重要

公開日: 更新日:

 このがんが厄介なのはまず病理組織が20種類以上と多いこと。多くのがんでは手術前に腫瘍の一部を採取して悪性度を調べますが、このがんでは手術で摘出した腫瘍を調べないと病理診断ができないのです。

 低悪性度だと5年生存率は85%以上で、中悪性度だと同50~85%。高悪性度では同50%を下回りますから、悪性度の違いが予後に大きく影響します。

 もうひとつは、がんができる部位の近くには、顔面神経や舌下神経、舌神経などが走っている点です。がんがそれらの神経に浸潤すると、目を閉じにくい、口角が下がる、舌を動かしにくいといった症状が現れますし、治療の中心である手術ではいかに神経の損傷を防ぐかがとても重要になります。

 神経を切除せざるを得ないケースなどでは、形成外科と連携した再建が不可欠です。目や口などの機能はもちろん、見た目の影響も大きな部分ですから、このがんの治療に慣れた医療機関で治療を受けることが大切になります。

 向井さんのご冥福をお祈りします。

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