著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「様子見」で五十肩の症状が悪化する人には共通点がある

公開日: 更新日:

 五十肩に明らかな予防法はありません。しかし、「様子見」でいると痛みがかなり強くなる方には、ある程度傾向があります。その特徴のひとつをお話しします。

 まず、一方の肩が五十肩になった方の20~30%は、反対側も五十肩になるといわれています。これは医療機関に受診されたからこそ判明した数字です。実際には軽度な痛みで我慢をしているか、医療機関に受診せずに治療院などに通っておられるために、反対側の痛みも自覚するようになる方は半分くらいはいるのではないかと思われます。

 では反対側の痛みが出ないようにするには、どうすればいいのか。明らかな予防法はないというのが現状です。ただし、どれだけ予防していても発症率をゼロにできないから明らかな予防法がないとお話ししているのであって、予防が無駄であると言っているわけではありません。

 五十肩の発症は動作の癖、姿勢、ライフスタイルの影響があるのは間違いありません。したがって、一度五十肩を経験した方は、自分が治るまでの経過や、どう治療したかに詳しくなっているはずです。

 そのことから、五十肩を一度患った方は、①反対の肩もいずれ痛みが出てくる可能性があること②前回の治療に効果があると思っているなら(運動療法や前医の治療)、それを再開する③治らないなら早く、的確な治療を受けるために専門医の治療を受けること──が挙げられます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」