なぜ日本は医師が少ないのか…医学部生もOECD36カ国中34位

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 受け入れ先は国公立病院が中心となる。このような病院は労せずして、若手医師を確保できる。容易に利権になるだろう。コロナ禍以降、国立病院機構、国立がん研究センター、労働者健康安全機構、国立国際医療研究センターの職員が相次いで収賄罪などで逮捕された。いずれも厚労省が所管する独立行政法人だ。

 このような腐敗した組織に「利権」を与えることが、国民のためになるのだろうか。

 我が国の医学部定員が少ないことは、国際統計を調べればすぐにわかる。情けないのは、「医師は余る」という厚労省の「大本営発表」を誰も批判しないことだ。

 財務省は4月16日に財政制度等審議会財政制度分科会に提出した資料の中で、医学部定員について、「大幅な削減が必要になる」と主張した。そして、多くのマスコミが、このような主張をそのまま報じた。こうなると道化としかいいようがない。

 医学部の定員を増やしても、我が国の医師が余ることはない。万が一、余っても困るのは医師だ。腕の悪い医師が失業するだけである。国民視点に立ったもう少しまともな議論が必要である。

(医療ガバナンス研究所理事長・上昌広=内科医)

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