なぜ日本は医師が少ないのか…医学部生もOECD36カ国中34位

公開日: 更新日:

 受け入れ先は国公立病院が中心となる。このような病院は労せずして、若手医師を確保できる。容易に利権になるだろう。コロナ禍以降、国立病院機構、国立がん研究センター、労働者健康安全機構、国立国際医療研究センターの職員が相次いで収賄罪などで逮捕された。いずれも厚労省が所管する独立行政法人だ。

 このような腐敗した組織に「利権」を与えることが、国民のためになるのだろうか。

 我が国の医学部定員が少ないことは、国際統計を調べればすぐにわかる。情けないのは、「医師は余る」という厚労省の「大本営発表」を誰も批判しないことだ。

 財務省は4月16日に財政制度等審議会財政制度分科会に提出した資料の中で、医学部定員について、「大幅な削減が必要になる」と主張した。そして、多くのマスコミが、このような主張をそのまま報じた。こうなると道化としかいいようがない。

 医学部の定員を増やしても、我が国の医師が余ることはない。万が一、余っても困るのは医師だ。腕の悪い医師が失業するだけである。国民視点に立ったもう少しまともな議論が必要である。

(医療ガバナンス研究所理事長・上昌広=内科医)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった