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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【毒蛇咬傷】噛まれてもほとんど症状が出ない人がいる

公開日: 更新日:

 抗毒素による治療は、体内に入った毒素を中和するものなのですが、組織に結合した毒素は中和しにくいといわれています。そのため、噛まれた後できるだけ早く投与することが効果的とされています。

 毒蛇に噛まれて毒素が注入された場合、一般的には急速な腫脹(しゅちょう)の広がりなどが見られるのですが、中にはほとんど症状がない患者さんもいます。これには理由があります。蛇に噛まれて毒が入ることを「Wet bite」、噛まれても毒が入らなかったときを「Dry bite」と呼びます。毒蛇は一度毒を出すと元通りになるまで14日かかるという報告があり、噛まれても20%程度がDry biteになるといわれているのです。

 蛇に噛まれた場合、その蛇が毒蛇かどうかを確認するためにもスマートフォンなどで写真を撮っておきたいところです。パニック状態でなかなか難しいとは思うのですが、その画像がその後の治療に大きく影響する可能性があります。

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