認知症の「軽症リハ」では具体的にどんなことを行うのか
当院で実施している認知症リハビリのうち、今回は「軽症リハ」についてお話しします。
認知症発症後、進行を遅らせて“できる能力”を向上させるためのリハビリです。
認知症には進行度が定められています。日常生活に支障を来すほどではないけれど、物忘れが増えたり、時間や場所の感覚が乱れるといった症状が増える軽度認知障害(MCI)が進み、認知症を発症すると、直前の出来事を忘れてしまったり、同じことを何度も繰り返し口にしたり、現在の日付や曜日などが分からなくなったり、できないことが増えていきます。一般的には軽症の段階です。正確な診断は、脳の画像診断に加え、「MMSE(ミニメンタルステート検査)」「長谷川式認知症スケール」といった認知機能の評価テストを行って、時間、場所、文章復唱、計算などの項目について評価したうえで行われます。
軽症リハは、軽症の段階で介入し進行を遅らせて、できる能力を向上するために実施します。
基本的には、これまでお話しした予防リハと同じく、筋力と体力の維持・向上のための身体トレーニング、頭を使う(学習)トレーニング、コミュニケーションを図る取り組みを行いながら、外来や通所とは別に自宅を訪問して「日常生活で困らない」ようにするためのリハビリを実施していきます。