認知症の「軽症リハ」で、昼夜逆転の生活リズムを戻すこと重要なのはなぜか
認知症を発症後、軽症の段階で介入して、できる限り進行を遅らせ、“できる能力”を向上させる認知機能向上リハビリが「軽症リハ」です。
私が院長を務める、ねりま健育会病院に設置している「介護老人保健施設(老健)」では、入所された軽症の認知症患者さんに対し、在宅復帰に向けた軽症リハを行います。基本的には予防リハと同じく、筋力と体力の維持・向上のための身体トレーニング、楽しめる学習トレーニング、コミュニケーションを図る取り組みを行いながら、日常生活で困らないようにするためのリハビリです。
老健の入所期間は、原則として3カ月に設定されています。その間に軽症リハを実施して、生活に困らないくらいまで“できる能力”を向上させ、自宅にお戻しするのです。
現在、ほとんどの老健は、介護の合間に患者さんを3カ月入所させ、自宅に戻って、また3カ月たったら再び入所させる「3カ月リピートのお預かり施設」になっているのが実情です。もちろん、介護している家族が潰れてしまわないように、一時的な“避難所”として利用することにはとても意義があり、家族からのSOSがあれば、それを救うサポートをすることが極めて大切です。