年を取って聞き返すことが増えた…認知症予防のために「補聴器」を

公開日: 更新日:

 2017年と20年に、世界的に権威のある医学誌ランセットが「認知症の40%は予防可能で、そのうち難聴が最大の危険因子」と指摘した。中年期に難聴があると高齢期に認知症のリスクが2倍上昇するとの報告もある。慶応義塾大学病院聴覚センター長の大石直樹医師(耳鼻咽喉科・頭頚部外科准教授)に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 難聴には加齢が関係していて、年を取れば誰もが難聴となる。大事なのは、難聴が及ぼす影響をしっかり認識すること。

 冒頭で、難聴が認知症に関係しているとのランセットの発表に触れた。

 聴力と脳の関係を示した研究は複数ある。56~86歳の126人(聴力正常群75人、同低下群51人)を平均6.4年間追跡した研究では、聴力低下群で有意に脳の容積の減少が認められたという結果が発表されている。

 全米国民健康栄養調査を受けた60歳代605人の知能評価と聴力の関係に対する解析では、25デシベルの聴力低下に伴う認知機能の低下は、7年の経年変化とほぼ等価との試算。一方で補聴器使用者は、聴力低下の重症度、年齢、性、人種、教育レベル、収入を調整しても有意に知能検査のスコアが高かった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド