過労死を防ぐには「衝動」を見逃してはいけない…隠れ疲労に注意

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 つまり「疲労感」は、それ以上、体を動かすなどして自律神経に大きな負荷をかけさせないようにするための“危険信号”なのだ。

 そんな疲労感という生体アラームを無視してそれ以上の無理を続けると、体に害が及び、最悪の場合、過労死を招く結果になりかねない。しかし、実際には疲労が蓄積していても、われわれは疲労感を自覚できないケースが少なくないという。

「疲労感を自覚する眼窩前頭野は脳の前頭葉にあります。前頭葉は『意欲や達成感の中枢』と呼ばれていて、たとえば仕事で成果を出すなどして意欲や達成感が高まり、興奮したり幸福感や高揚感があると、実際は疲労が積み重なっているのに疲労感として変換されず、疲労を感じなくなってしまうのです」

■普段と違う行動の裏に…

 過労死や過重労働による健康被害を回避するには隠されて自覚できないことがある疲労感を見逃さないことが大切になる。そのカギになるのが「衝動」だ。

「衝動というのは、意識に上らないところにある情報が全身から集まって生じる何らかの反応で、最初に現れる慢性的な疲労の兆候です。たとえば、いつもは歩く距離なのにタクシーに乗りたくなる、楽しいはずの遊びの予定が面倒くさく感じる、本来は好きで苦にならない作業なのにやる気が起きない……といったように、知らず知らずのうちに普段と違う行動をしてしまうのが衝動です。こうした衝動があれば、じつは疲労がたまっていると疑ったほうがいい」

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