依存症の人が見えている世界(3)脳が「欲しい」と感じ、制御がきかなくなる

公開日: 更新日:

「依存症とは何かを説明するとき、『好き』と『欲しい』を想像すると分かりやすい」(ライフサポートクリニック・山下悠毅院長=以下同)

「好き」と呼ばれる状態は、人生をより豊かにしてくれる対象。気分がゼロからプラスの方向へ向くベクトルだ。対して、「欲しい」とは「ないと苦しい」、つまりマイナスからゼロの方向へ向くベクトルになる。

「ビール1杯が1500円と高価でも、後者は『ないと苦しい』から購入してしまう。依存傾向にあると言っていい」

 脳が「欲しい」と感じることで、制御がきかなくなる。前回、依存症は脳の仕組みによって引き起こされると説明した。つまり、当事者の意志の弱さ(=怠慢)によって繰り返してしまうものではない。

「脳内に“依存症回路”ができてしまうことで、『やってはいけないのにやってしまう』ようになる。この依存症回路は、一度脳に出来上がってしまうと断つことはできません。そのため反省したとしても、薬物や盗撮など再発してしまうことが珍しくない。依存症を治療していくには、患者の意識下にある“やめたい自分”と“やりたい自分”の2つの軸を、両備えでケアしていくしかない」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢