著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【栄養価強化卵】卵黄や殻の色と栄養価は無関係…栄養成分表示が大事

公開日: 更新日:

 栄養価強化卵は、特定の栄養素(DHA、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、ビタミンD、カルシウムなど)が通常の卵より多く含まれるように飼育された卵です。これらは、鶏の餌に魚粉や藻類由来のDHA、ビタミンE、炭酸カルシウムなどを加えることで生産されており、健康をサポートする食品として注目されています。

 よく、卵の色が濃いと栄養価が高いように話されていますが、実は卵黄の色は鶏が食べた餌に含まれる色素成分に由来し、トウモロコシやパプリカパウダーを多く含む餌を与えると濃いオレンジ色になることがあります。そのため、卵黄の色の濃淡が栄養価や健康効果に直接影響を与えるわけではありません。

 また、卵の殻の色も鶏の品種によって決まり、白色や褐色の卵でも、同じ飼料を与えられた場合は栄養価に大きな違いは見られないという報告があります。そのため、栄養価を判断する際には、見た目よりも成分表示を確認することが重要になります。

 栄養価強化卵の健康効果については、さまざまな研究報告があります。DHA強化卵を摂取することで血中DHA濃度が上昇し、脳の健康維持や認知機能の向上に寄与する可能性が示されています。また、ビタミンEが強化された卵は抗酸化作用を通じて細胞の酸化ストレスを軽減し、ビタミンD強化卵は骨密度の維持や骨粗しょう症リスクの低下に役立つとされます。さらに、ヨウ素やセレンが強化された卵は、甲状腺機能の改善や免疫機能の向上に寄与すると期待されています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲