(14)ああ、私は「介護者」になったのだ…この気づきが生活を一変させた

公開日: 更新日:

 身近に介護経験のある人のいない私には、その世界がまったく見えていなかったのだ。認知症のことを調べるだけではなく、これから始まる「介護者」としての生活に対する知識を深めなければならないようだ。

 そう気づいた私に、インターネットは今度は違う情報をもたらしてくれた。介護に関するNPO法人などの団体の存在だ。介護に関する様々な情報をまとめ、発信しているこれら団体のウェブページをくまなく読み、勇気づけられるとともに、運営者の真摯な姿勢に心を打たれた。

 なかでも遠距離介護コミュニティ「NPO法人パオッコ」(当時。現在は親の介護を経験した世代自身のこれからの生き方や老い方を考えることに焦点を当てた「パオッコ2」)の代表である太田差惠子さんが書いていらっしゃった「(親が)寝たきりになって初めて介護が始まるのではありません。親の老いが気になり始めた時から始まります」という言葉に衝撃を受けた。

 これを読んだ時に初めて、ああ、私は「介護者」になったのだとわかったからだ。その後の私の生活を一変させる大きな気づきだった。(つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  2. 2

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  3. 3

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?

  4. 4

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    トイレ盗撮も…谷村新司が息子を叱れない“恥ずかしい過去”

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    西野カナ×Perfumeショットにファンびっくり…ザワつき巻き起こした「のっち不在ショット」を読み解く