(23)何もできなくなった母…どうすれば自宅に戻せるのか

公開日: 更新日:

 看多機は、訪問看護・通い・宿泊などを組み合わせた柔軟なサービスで、比較的新しい制度だった。当時、ようやく全国に広がりはじめたばかりだったが、幸いにも実家から車で3分ほどの場所に施設があると教えてもらった。普段通っている道沿いに、そんな施設があることなど、それまで気にも留めたことがなかった。

 要介護認定の通知は郵便で届くという。父と感情的に対立していた私は、月に一度だけ、母の入院費の振り込みの連絡をするためにしか電話をしていなかった。12月に入り、認定結果が出る頃合いを見て、久しぶりに父に電話をした。市役所から郵便物が届いていないかと聞くと「来ていない」と言う。

 2、3日おきに電話をかけてみたが、返事は変わらなかった。本当に届いていないのか、それとも気づいていないのか。日に日に不安がふくらんでいった。(つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風