著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【ナタデココ】腸内環境を整える可能性があり快便を促す

公開日: 更新日:

 ナタデココは、フィリピン発祥の発酵食品で、ココナツウオーターを酢酸菌の一種であるナタ菌(Acetobacter xylinum)で発酵させて作られます。スペイン語で「ココナツの上澄み皮膜」を意味し、独特の弾力食感が特徴です。1970年代にデルモンテがフルーツ缶詰に使用し、日本では1992年にファミリーレストランのデニーズがナタデココを使用したデザートを提供したことで一大ブームを巻き起こしたとされます。その後も低カロリーで食物繊維が豊富な食品として、一度は口にした方も多いのではないでしょうか。

 ナタデココの主成分は微生物セルロースです。これは不溶性食物繊維の一種で水に溶けづらく便のカサを増やしてくれるため、排便に効果的といわれる栄養素。基礎実験になりますが、ナタデココに含まれるセルロースを摂取すると、血中コレステロールの低下を促す可能性が指摘されています。また、セルロースは腸内細菌の発酵を調整し腸内環境を整える可能性もあるともいわれているのです。

 ヒトではどうでしょうか? セルロースはヒトの消化酵素では分解されないと一般的にはいわれているものの、粉末状セルロースの約23%が腸内細菌により分解されるとの報告もあります。一方で、都市部の生活を送る人では分解能力が低い場合もあるといわれていたり、さまざまな見解があるのです。つまり、ナタデココが腸内環境の改善にどの程度役立つかは、セルロースを分解できる腸内細菌の種類や数の個人差が大きいと言えるでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大はヤンキースに未練タラタラ…「一途な200勝男」は復帰願望を周囲にこぼしていた

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 4

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 5

    高市早苗氏は頼みの党員・党友支持に急ブレーキで決戦シナリオ破綻…陣営が迫られる「地獄の選択」

  1. 6

    不世出のストライカー釜本邦茂さんが草葉の陰から鹿島18歳FWの「代表入り」をアドバイス

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  3. 8

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 9

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇