筋肉は「体の貯水庫」だ…熱中症予防のために筋肉を鍛えよう
一般的に筋肉量は20代がピークで40代から年に1~2%ずつ減っていく。60歳では20歳ごろに比べて上肢で約10~20%、下肢で20~30%減少するとの報告もある。それと共に熱中症による死亡者数も増えている。
「筋肉は血液循環を促す役割も果たしています。循環が良くなることで体温調節がスムーズになり熱中症リスクを抑える可能性があります」
体を動かして筋肉が収縮・弛緩すると周囲の血管に圧力がかかる。この圧力が特に静脈の血液を心臓に押し戻すのを助ける。また、筋肉を動かすには血液が必要なため、心拍数が上がる。結果的に血液循環が良くなる。
ちなみに汗は皮膚にある汗腺で血液から作られる。汗腺が血液から水分や塩分、ミネラルを取り出し、それを汗として分泌する。血液循環が良くなると汗腺にも十分な血液が行き渡るため、効率的に汗をかける状態になる。
「筋肉が多いと、運動中に効率的に酸素や栄養を取り込んでエネルギーに変える力が強くなります。そのため疲労感が軽減されます。また、汗をかきやすくなり体の熱をうまくコントロールする能力が向上するので、炎天下での活動でも体への負担が軽くなります」