著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

普段から使える!あのシャーロック・ホームズが使った記憶術

公開日: 更新日:

 ウィーン大学の認知心理学者ワグナーらは次の実験(2021年)を行い、「場所法」が誰にでも習得可能であることを報告しています。

 まず、記憶術習得経験のない50人の被験者を対象に、「場所法トレーニング」「作業記憶トレーニング(一時的記憶)」「まったくトレーニングしない」のいずれかを6週間実施しました。そして、トレーニング完了時に単語を覚えてもらい、4カ月後に再びテストを行いました。

 その結果、4カ月後の単語の想起率は、場所法を行ったグループが平均50語、作業記憶のグループが30語、トレーニングなしのグループが27語だったといい、場所法がもっとも成績が良く、長期的な記憶を蓄えられることが分かったといいます。

 また興味深いのは、被験者の記憶力と脳機能を分析すると、場所法トレーニング後は、脳の活性が穏やかだった。つまり、より少ない脳のリソースで多くの単語を覚えられたことが示唆されたという点です。単に机に向かって、にらめっこよろしく暗記するよりも、「精神の宮殿」をつくり上げて覚えていく方が、脳にとっても効率的なのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」