不眠改善の薬は睡眠薬に限らず…痛みで眠れない人には痛みの調整を
たとえば、肺動脈に血栓ができて血流が妨げられる「慢性肺血栓塞栓症」を患う80代の女性は、呼吸苦と腰痛で不眠に陥ったとのことで、呼吸苦緩和と痛み止めの薬の調整で、眠れるようになりました。
また、将来への不安から「入眠障害」と「中途覚醒」が続いていた50代の男性患者さんには、気持ちを落ち着かせる薬を調整し、安心して夜を過ごせるようサポートしています。
こうしたケースでも、単に睡眠薬を処方するだけではなく、その方の生活スタイルや価値観に合わせたお薬の選択や調整を行うよう心がけています。
そのためには、患者さんやご家族と時間をかけてじっくり話し合うことも必要です。対話を重ねながら不眠の背景を探り、最善の対応を見つけていく──。こうした丁寧な対応ができるのも、在宅医療ならではの特徴だと私たちは考えています。
質の良い睡眠は、より良い療養生活を支える大切な要素です。在宅医療では、睡眠も決して軽視することなく、心身の健康を支える柱の一つとして取り組んでいます。