著者のコラム一覧
粂和彦名古屋市立大教授

東大医学部卒。分子生物学者・医師(日本睡眠学会指導医)

(4)寝付けない場合は寝酒よりも睡眠薬の方が体にはよい

公開日: 更新日:

「厚労省国民健康・栄養調査」(2023年)によると、睡眠で十分休養が取れている人は73.1%(11年前は83.7%)で残りの26.9%は、不眠症か睡眠に何らかの問題があることが分かりました。不眠に悩む人が増加していると考えられます。

 不眠症とは、夜睡眠が十分とれず、日中心身の調子が悪くなる病気と定義されています。眠れなくても、日中元気であれば、不眠症とは言いません。適切な睡眠時間には個人差があるので、長さにこだわる必要もありませんが、仕事や日常生活に大きな支障が出て、自分でもつらいと感じるなら、睡眠外来などの受診をお勧めします。

 中には、うつ病や睡眠時無呼吸症候群(SAS)、ナルコレプシー、周期性四肢運動障害(PLMD、眠っている間に足がびくびく動き睡眠を障害する)、むずむず脚症候群(RLS、眠る前に下肢にむずむず感などの異常感覚が出る)などがあり、中高年に多いのが、うつ病とSASです。

 また、朝起きられない、夜寝つけないという人は、睡眠リズムが夜型にずれている可能性があります。朝型に戻すために、寝床の位置を明るい窓際に移し、カーテンを開けて眠ってみましょう。まぶたは薄いので目を閉じていても光が目に届き、体内時計が進みだします。朝を体に知らせることで夜の寝つきがよくなります。その他、目覚ましタイマー付き電灯を利用する方法もあります。起きる時間の30分ほど前から徐々に明るくする機能で、ちょうど朝日を浴びるような効果をつくれます。

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