著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「幸せ」を強く求める人ほど幸せになれない

公開日: 更新日:

 その後、フィギュアスケーターが金メダルを獲得する──幸福な感情を喚起させるような2分間の映像と、悲しいカップルの話──悲しい感情を喚起させる2分間の映像をそれぞれ視聴させたところ、幸福を重視するよう誘導された被験者は、幸福な感情が誘導される状況において、幸福感を感じにくいことが明らかになったといいます。つまり、幸せを強く意識すると、かえって幸せを感じづらくなるということが示唆されたのです。

 このような研究は多岐にわたって行われており、例えば 都内の大学生157人を対象に行った立教大学の川久保らの研究(2016年)でも、幸福を強く求める人ほど、孤独感による幸福感の低下が大きく、ポジティブな出来事の影響が小さいことが示されています。

 先の研究では、期待するほど幸福ではないと感じた場合、反比例するように失望感を抱きやすくなるともうたっています。皮肉なことに、幸せを過度に重視することは、かえってポジティブな感情の経験を減少させる可能性があり、落ち込みやすくなってしまうのです。

 私たちは、幸福を最大化しようとあれこれ考え、ネガティブな感情を「悪いもの」として排除しようとします。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ