女優カン・ソハさんが31歳で他界…「胃がん」遺伝子変異で若年発症のリスク
両親のいずれかがこの遺伝子変異を持っていると、子供は50%の確率でその変異を受け継ぐため、HDGCのリスクが高い。このタイプは40歳までに発症することが多いため、30代までに発がんされた人が家族にいる方は要注意。4割ほどの確率で乳がんを合併しやすいのも特徴です。こうした特徴から、遺伝子検査でCDH1変異を持っていることが分かると、予防で胃の全摘が検討されることもあります。
特定のがんリスクと関係する遺伝子変異はほかにもあって、BRCAがよく知られています。この変異があると、若くして乳がんや卵巣がんのリスクが高いため、予防的な乳房や卵巣の切除が検討されることもあるのです。それが世界的なニュースになったのが、米女優アンジェリーナ・ジョリーさんのケースでしょう。
アンジーは、母と叔母を乳がんと卵巣がんで亡くし、BRCAの変異を持っていたため、2013年から15年にかけて両方の乳房と卵巣卵管を切除しました。皆さんも記憶にあると思います。家族に若年発症のがん患者がいる場合は、遺伝子変異の可能性を考えてみてもよいかもしれません。