著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

女優カン・ソハさんが31歳で他界…「胃がん」遺伝子変異で若年発症のリスク

公開日: 更新日:

 両親のいずれかがこの遺伝子変異を持っていると、子供は50%の確率でその変異を受け継ぐため、HDGCのリスクが高い。このタイプは40歳までに発症することが多いため、30代までに発がんされた人が家族にいる方は要注意。4割ほどの確率で乳がんを合併しやすいのも特徴です。こうした特徴から、遺伝子検査でCDH1変異を持っていることが分かると、予防で胃の全摘が検討されることもあります。

 特定のがんリスクと関係する遺伝子変異はほかにもあって、BRCAがよく知られています。この変異があると、若くして乳がんや卵巣がんのリスクが高いため、予防的な乳房や卵巣の切除が検討されることもあるのです。それが世界的なニュースになったのが、米女優アンジェリーナ・ジョリーさんのケースでしょう。

 アンジーは、母と叔母を乳がんと卵巣がんで亡くし、BRCAの変異を持っていたため、2013年から15年にかけて両方の乳房と卵巣卵管を切除しました。皆さんも記憶にあると思います。家族に若年発症のがん患者がいる場合は、遺伝子変異の可能性を考えてみてもよいかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 2

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  3. 3

    浜辺美波&永瀬廉“お泊まり報道”で日テレから嬉しい悲鳴…大物カップル誕生で「24時間テレビ」注目度が急上昇

  4. 4

    教え子の今岡真訪が蹴った“倍額提示”…「お金じゃありません」と阪神入りを選んだ

  5. 5

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  1. 6

    参院選千葉で国民民主党に選挙違反疑惑! パワハラ問題で渦中の女性議員が「証拠」をXに投稿

  2. 7

    石破自民「1人区」でまさかの「3勝29敗」もあり得る最終盤情勢…参院選歴史的大敗の予兆

  3. 8

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  4. 9

    参院選「1人区」自民の牙城が崩壊危機 群馬、石川、鹿児島…歴史的敗北ラッシュも

  5. 10

    「サイゼリヤ」が中国の日式外食チェーンで一人勝ちの秘密…くら寿司、餃子の王将なぜ失敗