アプリが薬になる…DTx(デジタル治療)は新しい医療のかたち
近年、薬剤師は薬の説明だけではなく、「患者の行動変容を支える」「服薬以外のアドヒアランス(※)を支援する」といった新しい関わりも増えてきています。患者さんがアプリをちゃんと使っているか、日々の記録が進んでいるかをフォローするのは、薬剤師が得意とする「寄り添う力」が生かされる場面です。
一方で、アプリが「使われない」「続かない」「間違った情報を与える」といったケースでは、薬剤師が「このアプリ、使えてますか?」と一声かけるだけでも、治療継続に大きな違いが出てくるはずです。大事なのは、「デジタルだから便利」ではなく、「人が関わるから意味がある」という視点です。薬剤師の仕事は、薬を渡すだけではありません。治療に伴走することもまた、立派な薬剤師の仕事なのです。
※病気に対する治療方法について、患者が十分に理解し、服用方法や薬の種類に十分に納得した上で実施、継続すること。