米国で注目 「記憶を守るミネラル」リチウムがアルツハイマーに効く?
現在、アメリカにはアルツハイマー病の患者が約700万人います。この数は年々増加しており、2050年には1300万人に達するという予測もあります。近年は病気の進行を遅らせる医薬品がいくつか登場していますが、費用や副作用の問題もあり、より身近で安全な選択肢が求められてきました。
今回の研究はマウス実験の段階にとどまっており、人間への臨床応用はこれからです。しかしもし今後、オロチン酸リチウムが人の脳にも有効であると証明されれば、手に入りやすい治療手段として大きな注目を集めることになるでしょう。また、脳内のリチウム濃度を測定することで、アルツハイマー病の発症リスクや進行度を評価する、新たな診断手法が生まれる可能性もあります。
「記憶を守るミネラル」としてのリチウムが、これからの脳の健康において重要なカギを握るかもしれません。