「風邪かな?」糖尿病や歯の病気の人は要注意…長引く咳や鼻水を市販薬で誤魔化していたら
今回風邪だと思って市販薬で様子を見ていたけれど、結果的に肺化膿症だったというケースを紹介しました。それでは、振り返ってみて今後どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
肺化膿症は「肺膿瘍」とも言われます。文字通り、肺が炎症を起こして肺に膿(うみ)が溜まった状態です。肺化膿症の原因は、ほとんどが細菌です。糖尿病や歯の病気、アルコール依存症などで誤嚥を繰り返す人に起こることが多いとされています。通常の肺炎と比較して1~2か月程度と長期の治療が必要となります。肺化膿症の予防として、口腔ケアや虫歯の治療が重要です。高熱が続く時、息切れや呼吸がおかしい、ぐったりしているような時には風邪だと思いこまずに注意しましょう。
▽日下祐:日本健康経営専門医機構評議員、日本呼吸器学会専門医・指導医,日本内科学会総合内科専門医・指導医、呼吸器・感染症領域で博士課程(医学)修了。医療メディアで情報発信を行い、医療IT中心のヘルスケア企業と事業協力も展開。
この連載では、毎週各分野の医師が「放っておいたら危険」な症状を紹介していきます。次回は、「小さな切り傷が命取りに?」を取り上げます。
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