(2)「最新医療」=「最先端の画期的治療」とは限らない
上記のいずれも100%の手を尽くして治療したが、最良の結果とはならなかったという医学の歴史のひとつである。科学としての医学には未知のことが多く、これからも医学はこのような歴史を繰り返していくのであろう。
さて、冒頭の患者さんの質問に戻ろう。患者から問われる質問の究極は「先生ならばどうします?」なのだが、私なら同じ時代に生きる医療者の熱量と高い志を信じて、標準治療を粛々として受け入れるつもりである。
これは副作用と効果をてんびんにかけて、効果が上回るという一定の評価が定まっている治療を指す。いわゆる先進医療の中には評価が定まっていないものもあり、一部に試験的な要素もある。先進医療=最先端の画期的治療とは限らない。 =つづく