健康は腸内の多様性に左右される…ヒトは細菌で生かされている
例えば、善玉菌とされるビフィズス菌は、酸素に触れると死んでしまうためカプセルに入れて空気に触れないようにするなど工夫しない限り大腸に届けるのは難しい。ただし、死菌でも小腸ではヒトに役立つ有用菌に活性化することでヒトの健康に貢献することは可能だとされる。
「要は、大人の腸活は、3歳ごろまでに完成された各人の腸内マイクロバイオータの組成を変えることではなく、腸内マイクロバイオータの中のヒトの役に立つ有用菌を活性化するものです。具体的には有用菌のエサとなる食べ物を意識的に取ることであり、それは偏食を避けて多様な食べ物を取ることなのです」
年を重ねると食べ物のメニューが固定化しやすいが、腸が衰える高齢者こそ、意識して多様な食材を取る必要があるのだと、根来医師は言う。
腸内に常在する有用菌を活性化する食べ物の代表は、水溶性食物繊維とオリゴ糖だ。前者はワカメやヒジキなどの海藻類、シイタケやシメジなどのキノコ類、サツマイモや里芋などのイモ類、納豆やオクラなどのネバネバ系の食品などがある。後者はタマネギ、アスパラガス、バナナ、大豆、ハチミツなどがある。(つづく)