健康は腸内の多様性に左右される…ヒトは細菌で生かされている

公開日: 更新日:

 例えば、善玉菌とされるビフィズス菌は、酸素に触れると死んでしまうためカプセルに入れて空気に触れないようにするなど工夫しない限り大腸に届けるのは難しい。ただし、死菌でも小腸ではヒトに役立つ有用菌に活性化することでヒトの健康に貢献することは可能だとされる。

「要は、大人の腸活は、3歳ごろまでに完成された各人の腸内マイクロバイオータの組成を変えることではなく、腸内マイクロバイオータの中のヒトの役に立つ有用菌を活性化するものです。具体的には有用菌のエサとなる食べ物を意識的に取ることであり、それは偏食を避けて多様な食べ物を取ることなのです」

 年を重ねると食べ物のメニューが固定化しやすいが、腸が衰える高齢者こそ、意識して多様な食材を取る必要があるのだと、根来医師は言う。

 腸内に常在する有用菌を活性化する食べ物の代表は、水溶性食物繊維とオリゴ糖だ。前者はワカメやヒジキなどの海藻類、シイタケやシメジなどのキノコ類、サツマイモや里芋などのイモ類、納豆やオクラなどのネバネバ系の食品などがある。後者はタマネギ、アスパラガス、バナナ、大豆、ハチミツなどがある。(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった