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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

「がん検診」の結果は画像もまとめて受け取る…静岡がんセンターを遺族が提訴

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 一般にがん細胞は常に生まれていますが、免疫をかいくぐると、10~20年の長い年月をかけて1センチ程度になります。2センチになるまでが早期といわれるタイミングで、1センチから2センチになるまでの時間は早まり、大体1~2年が一般的です。

 どんなに優れた画像装置でも、影をキャッチしてがんと診断できるのは大体1センチ程度。最新の装置でもせいぜい7、8ミリでしょう。5ミリで発見するのは極めて難しく、たとえ見つけられても3カ月後に再検査したり、ほかの異常所見と合わせて精密検査を加えたりすることがほとんどだと思います。

 最新の医療機器ができると、そちらになびく患者心理は分からなくもありませんが、最新がベストでもなければ、万能でもないことは覚えておいてよいでしょう。“最新神話”を過信するのは禁物です。

 今回のケースでは、別の病院での肺がん診断を受け、さかのぼって調べたところ、「異常ナシ」とされた腫瘤があったということでしょう。検査データは医師のものでも病院のものでもなく、患者さんのものですから、検査結果は画像も一緒に受け取っておくことが大切です。

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