明日にも失明するかもと言われ…歌手の田中あいみさん網膜剥離を語る
これまで何度も“ギリギリ”を経験してきた
仕事復帰も早かったです。ちょうどサングラスが合う楽曲を歌っていたので、現場では真っ黒のサングラスをしていました。
私は極度の近視でもありませんし、ぶつけたり殴られた覚えもないのですが、唯一、スポットライトが目に負担をかけていたようで、じつは右目も剥離予備群と診断され、レーザー治療を受けました。
網膜剥離は再発の可能性があるそうです。なので、なるべく目に負担をかけないように表に顔が出ないラジオなどの仕事ではサングラスをしています。スマホを見る時間を減らすように心掛けています。また、乾燥がいけないので、常に点眼薬を持ち歩いていますし、何かおかしいと思ったらすぐに眼科を受診するようになりました。
今回の網膜剥離から学んだことは、「病気に関して我慢はダメ」です。自分の体をいたわっていなかったと実感しています。いつもと違うと感じたら周りに相談すべきですね。
今回も失明ギリギリでしたけど、これまでも何度かギリギリを味わってきました。小学5年のときの「虫垂炎」がじつは破裂ギリギリでした。腹痛を母親に訴えたら「温めときや」と言われたので、お湯に漬かったらもっと痛くなって……。食あたりみたいに“上からも下からも”の状態で、救急搬送からの即手術でした。
高校1年のときには膝痛からの「良性骨腫瘍」です。痛みが出たので整体に行ったら「成長痛ですね」と言われ電気治療を受けていたら、ついには歩けなくなり、大きな病院に行くと「骨腫瘍」と診断されたのです。骨から骨が生えてしまい、骨を削る手術をしました。「取ってみないと良性か悪性かわからない」という瀬戸際でした。
麻酔が効かない体質は、日頃のアルコール摂取量に関係しているかもしれません。でも、家にはお酒は一滴もないんですよ。酒豪の師匠(細川たかしさん)を中心とした飲み会などで飲ませていただくだけです。だから毎日飲むわけではないんですけど、飲むときはとことん付き合います。酔って潰れたことはありません。お酒はやめないですよ。好きなことをやめる必要は絶対にないと思いますから。
(聞き手=松永詠美子)
▽田中あいみ(たなか・あいみ) 2000年、京都府出身。小学3年から京都の歌謡サークルに所属し、数々ののど自慢大会に出場。19年に日本クラウン演歌・歌謡曲新人オーディションでグランプリを受賞し、21年11月に「孤独の歌姫(シンガー)」でデビュー。多数の歌番組で活躍し、東海ラジオでレギュラー番組「田中あいみ はんなりラジオ」を持つ。新曲「NAZO with 木梨憲武・所ジョージ」が発売中。
■本コラム待望の書籍化!「愉快な病人たち」(講談社 税込み1540円)好評発売中!