(1)薬を飲む時間によって効果が変わる ベストタイミングは人によって異なる
「酢を摂取すると、血管を広げる物質アデノシンが増えて、血圧上昇が抑えられます。高血圧の患者さんに酢を1日1回15ミリ摂取してもらう際、起床時、起床から3時間後、6時間後などと、高血圧の薬の時と同様、3時間ごとに時間を変え、7通りの摂取時間を試してもらいました。するとこの方では、就寝時が最も効果的で、飲用前139の血圧が124まで下がりました。最も効果がなかったのは起床時で、お酢を摂取する前とほぼ変わらぬ137でした」
渡辺医師は、レモン果汁でも試してみた。県立広島大が「レモン摂取で血圧を下げる可能性がある」と発表しており、興味を持ったからだ。15ミリのレモン果汁をある患者に酢の時と同様、起床時、起床後、起床3時間後……と飲んでもらったところ、この患者の場合は起床時が最も効果的で、起床から9~15時間後の摂取では、収縮期血圧がかえって上昇した。
「薬の場合は、安全のために主治医の管理のもとに飲む時間をいろいろ変えてほしいのですが、食品やサプリメントであれば、自分で飲む時間をいろいろと変えてみることができます。自分にとってのベストの時間を探ることをお勧めします」