物盗られ妄想の80歳女性「防犯カメラごと盗られたの」
このような場面では、患者さんの話を否定せず、時間をかけて丁寧に聞くことが大切だとされています。
「鍵はどうされています?」(私)
「もう何十回も替えましたよ。これまで集めた物がどんどんなくなるんです。まるで当たり前のように入ってくるの」(患者)
「防犯カメラを使ったりは?」(私)
「カメラごと盗られました」(患者)
「お部屋の中に設置するのはどうです? 見えにくい場所につけてもらえば。映像で確かめた方が安心じゃないですか?」(私)
「正直、いまも隣にのぞかれているんじゃないかと思って怖いの」(患者)
「次に娘さんが来られたときに、カメラのこと相談してみたらどうでしょう?」(私)
「忙しいからねぇ……」(患者)
信頼関係を築くには、不安に寄り添い、興奮を和らげるように話題を変えるなどの対応も重要です。こうした関わりができるのも、自宅での訪問医療ならではの特徴と言えます。
このように、一人一人のパーソナリティーに寄り添い、自宅で自分らしく過ごせるよう支えることも、在宅医療が担う大切な役割なのです。




















