著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

分子標的薬は「がん細胞特有の分子」をターゲットに効果を発揮する

公開日: 更新日:

 余談ですが、モノクローナル抗体の英語表記が「Monoclonal Anti Body」であることから、成分名の語尾が「~マブ」となります。

 低分子薬はその名の通り分子が小さいため、がん細胞の中にまで入り込んで効果を発揮します。

 分子標的薬は基本的にがん細胞特有に発現している分子をターゲットにしているので、殺細胞作用を有する抗がん剤にみられる骨髄抑制や脱毛、吐き気といった副作用は基本的には起こりにくいと考えていただいて結構です。しかし、分子標的薬がターゲットとする分子はがん細胞以外の細胞にも発現していることがあり、そのために特徴的な副作用が起こる可能性があります。

 いくつか例を挙げると、粘膜や血管の修復が障害されて胃潰瘍や出血が生じたり、重篤な肺炎(間質性肺炎)や皮膚障害などが起こることがあります。また、抗体薬ではアレルギー症状が起こる可能性もあります。分子標的薬だから副作用の心配がないというわけではなく、やはりクスリですから注意が必要です。そして、分子標的薬と殺細胞作用を有する抗がん剤を併用する化学療法もたくさんあるので、そういった場合は当然、両方の副作用が起こるリスクもあるのです。

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