著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

久米宏さんは会話も食事も困難に…「肺がん」喫煙と密接な中枢型はCTで見つける

公開日: 更新日:

 フリーアナウンサー・久米宏さん(写真)の命を奪ったのは肺がんでした。享年81。早大時代に同じ演劇サークルに所属していた田中真紀子元外相は昨年末に久米さんと電話で話されたようで、そのときの様子が報じられています。それによると、夏ごろからしゃべることが困難で、食事もつらくなっていたようです。症状がかなり深刻だったことがうかがえます。

 久米さんは生前、肺がんを公表していませんでしたが、2021年4月にドクターストップで完全禁煙したことを週刊誌で語っていました。その原因も不明ですが、「ドクターストップ」ということから察すると、長年の喫煙で肺に炎症が生じる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性はあるかもしれません。COPDと肺がんはいずれもたばこが共通のリスクで、COPDがあると2割程度の頻度で肺がんを合併しやすいことが分かっています。

 COPDで肺胞が破壊されると、酸素と二酸化炭素の交換ができず、息を吐けず、呼吸がとても苦しい。「陸で溺れる」と表現する方もいます。一方、たばこが原因の肺がんは気管支など肺の中枢にできやすく、気管支が閉塞しやすく、呼吸困難などの症状が出やすいのが特徴です。

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