著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

久米宏さんは会話も食事も困難に…「肺がん」喫煙と密接な中枢型はCTで見つける

公開日: 更新日:

 末梢にできる肺腺がんは症状が現れにくいのですが、中枢型は現れやすく、進行すると息苦しさが強くなりやすい。報道された田中真紀子さんの話と合致すると思います。中枢の肺がんで気管支が閉塞したときも、COPDと同じように陸で溺れるような苦しさを感じる方が少なくありません。肺がんが胸膜に転移して胸水がたまるときも、やはり溺れるような苦しさです。

 肺がんで気道が塞がれるときは、放射線治療が効果的で、その部位への放射線照射でがんが縮小すると、症状の緩和が期待できます。全身に転移があるようなケースも、気道閉塞への放射線治療は有効です。COPDも肺がんも、進行すると、元には戻れません。喫煙者は一度、胸部CTを受けて、COPDの程度を確認することが大切でしょう。

 肺がんについては、X線が検診で行われます。末梢の肺腺がんはX線で見つけやすいのですが、気管支など中枢にできる肺がんは、縦郭に重なってX線では分かりにくいため、今後の肺がん検診で喫煙者には低線量CTが導入される予定です。たばこのリスクは、喫煙者もご存じでしょうが、こうしたCTの有効性は覚えておくことをお勧めします。

 久米さんのご冥福をお祈りします。

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