著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「ホルモン療法」は抗がん剤に比べて副作用のリスクが少ない

公開日: 更新日:

 今回はこれまで紹介してきたがん化学療法とは少し異なる種類のクスリについて取り上げます。

 がんの中には性ホルモンによって増殖するものがあり、「ホルモン依存性腫瘍」と呼ばれています。その代表的なものとして、前立腺がんや乳がんが挙げられます。前立腺がんは男性ホルモンであるアンドロゲンによって、乳がんは女性ホルモンであるエストロゲンによって増殖するので、治療としてはそういったホルモンの働きを抑制するクスリ=ホルモン療法薬が用いられることがあるのです。

 ホルモン療法には、がん細胞の増殖に必要なホルモンの分泌を抑えたり、ホルモンががん細胞に作用するのを妨げる効果を持ったクスリが使用されます。性ホルモンは脳で出される信号をきっかけとして分泌されるので、そういった最初のところに作用するクスリもありますし、実際にホルモンが作られる精巣や脂肪組織などに作用するクスリもあります。また、作られたホルモンががん細胞に作用しないように妨害するようなクスリもあり、がんの状態などによって使い分けられています。

 ホルモン療法に用いられるクスリには内服薬と注射薬があります。がん化学療法に用いられる抗がん剤に比べて副作用のリスクが少ないことが特徴です。そのため、高齢者などで体力が低下している場合にも用いられることが多い治療になります。また、ホルモン療法は、がん治療そのものに用いられるだけでなく、手術後の再発予防としてもよく行われています。

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