著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

(4)4人の日本人医師がイベルメクチンでコロナ患者を治療

公開日: 更新日:

 それにしても、海外ではイベルメクチンで治療しようとする医師は見えざる力で妨害されたのに、日本ではなぜ使えたのか。長尾氏によれば、「2020年のコロナ治療ガイドラインには治療薬としてイベルメクチンが載っていた」という。

 この状況が一気に変わったのは2022年9月だった。突如として「イベルメクチンの使用は禁止された」のだ。それを通達したのは国ではなく、「レセプト保険者(医療機関からの診療報酬請求を審査・支払いする組織)から『使用を認めない』と」返されたそうである。それは「事実上の使用禁止」だった。

 それまで治療を認めていたのに、突然の禁止で長尾氏は慌てたが、イベルメクチンを使用した理由で医師免許を剥奪されたり、罰金を科されたりといった海外で報告されているような圧力を受けたわけではなかった。比較的穏やかだったのは、イベルメクチンは大村博士らによって日本で生まれたことや、日本では医療機関に診療報酬を支払う組織がNOといえば、医師は服従せざるをえないからだろう。それにしても、日本が誇るイベルメクチンをなぜ使わせたくなかったのだろうか。

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