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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

高嶺ふぶきさんは切除…甲状腺がんは9割が予後良好 手術せず経過観察で済む

公開日: 更新日:

 甲状腺がんを組織で分けると、9割ほどが乳頭がんで、濾胞がん、未分化がんなど。この乳頭がんが予後のいいタイプで、バセドー病に合併する甲状腺がんは微小な乳頭がんが多い。1センチ以下の乳頭がんでは、手術をせず経過観察で様子を見ることも可能です。経過観察は、首の触診や超音波検査、血液検査などで行います。

 大きくなったり、リンパ節に転移したり、あるいは未分化がんなどに転化したりしたときに手術で切除しますが、経過観察のまま寿命を迎えることも珍しくありません。その点からも、がんの中で乳頭がんが穏やかな性質であることが分かると思います。

 甲状腺がんの手術では発声に関わる反回神経が障害されることもあり、術後はそのマヒで声が出にくくなります。特に高音が出にくく、高嶺さんは手術前の説明でそのことを指摘されたそうですが、多くは数カ月で回復。高音は失ったと報じられましたが、舞台復帰できたのは何よりでしょう。半年以上続くと、永続する恐れもありますから。

 前述したように甲状腺はホルモンを分泌するため、全摘すると、ホルモン剤が生涯、欠かせません。それも手術のネックです。

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