長寿研究のいまを知る 番外編(5)「老化」は治療できるのか

公開日: 更新日:

■老化は「摩耗」ではなく「情報の乱れ」

 ハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「現在の長寿研究では、老化は単なる『摩耗』ではなく、『細胞が若い頃の設計情報を正しく読み出せなくなる現象』が影響すると考えられ始めています。その中で特に注目されるのがエピジェネティクスです。エピジェネティクスとは、簡単に言うと、DNAの塩基配列を変えることなく、環境や生活習慣などの影響により、遺伝子の働き(on/off)が調整される仕組みのことです」

 人間の細胞は、脳細胞であれ視細胞であれ、基本的には同じDNAを持っている。それでも役割が違うのは、使う遺伝子と使わない遺伝子が細胞ごとに異なるからだ。その遺伝の使い分けルールを担うのがエピジェネティクスだ。

 代表的な仕組みが、DNAメチル化とヒストン修飾だ。DNAメチル化とは、DNAに小さな化学物質(メチル基)が付加され、特定の遺伝子が働きにくくする仕組みを指す。一方、ヒストン修飾とは、DNAが巻きつくヒストンタンパク質の状態を変え、DNAの読みやすさを調整する仕組みだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    Number_i「100億円プロジェクト」始動 矢沢永吉も壁にぶつかった世界進出がいよいよ現実に

  3. 3

    大和ハウスが「新築戸建て住宅」販売を都市圏に集約…もはや地方で売るのが難しくなった背景

  4. 4

    クレイジーケンバンド横山剣さん「五木寛之さんからいただいた歌詞は、すぐにメロディーが思い浮かびました」

  5. 5

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  1. 6

    巨人・戸郷翔征が試合ブチ壊し! 桑田真澄前二軍監督が去り、漂う「万策尽きた感」

  2. 7

    日本ハム助っ人レイエスに「70万ドル請求訴訟」 タティスJr.も敗れた“収入10%契約”の落とし穴

  3. 8

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  4. 9

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  5. 10

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです