著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(3)若い女性の痩せと子供の発達障害の関係…低体重のリスク

公開日: 更新日:

 低体重の子は、正常体重の子と比べて、体も脳も十分に育っていない状態で生まれてくるため、最初からある程度のハンディを負っています。しかも母親が痩せていると、母乳の栄養価が下がり、ますますハンディが広がってしまいます。

 近年、日本でも子供や青年の発達障害などが社会問題としてクローズアップされています。母体の栄養不足と、それによる低出生体重児の増加との関係を注目する向きもあるようです。

 そうした背景もあって、産科婦人科学会は2021年に「妊娠中の体重増加の目安」を大幅に引き上げました。それ以前は、低体重の妊婦の体重増加の目安を9~12キロとしていたのですが、現在は12~15キロとなっています。また普通体重の妊婦では、7~12キロだったものが、10~13キロに改定されました。

 この改定によって、低出生体重児の割合は改善されつつあります。しかし若い女性の痩せ願望はますます強まっています。いまや小学生でもダイエットを意識するような時代です。しかもマスコミは「痩せる=美と健康」という価値観ばかり流し続けていますし、食品メーカーも同様です。本音は「痩せると言えば儲かる」からでしょう。

 しかしそれによって国民が受ける不利益には、一切目を向けようとしていません。もっと「罪悪めし」に焦点を当て、「罪悪めしこそ今の時代のトレンドだ」という流れを作らないかぎり、日本の未来は暗そうです。 =つづく

【連載】「罪悪めし」「背徳めし」も必要だ

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