(6)国立精神科病院に強制入院…懲罰で312日間もの長期隔離
息子は「任意入院になったのだから早く退院させてほしい」と懇願したが認められなかった。再び怒りっぽくなった。6月下旬、ナースステーションの前でしつこく退院を要求。うるさいと感じた看護師が息子の指と腕をねじって排除した。
気が立っていた息子は、そこで遭遇した看護師の頭を蹴った。以前、その看護師が患者の太腿に全体重を乗せて拘束していた様子を見たので、その仕打ちを正そうとしたという。看護師はCT検査で異常がなかったが、病院長は母親を呼び出して「息子さんは度を越した暴力をした。被害を受けた看護師には傷害罪で警察に訴えるよう勧めた」と告げた。
7月1日、息子は鉄格子で仕切られた築44年の隔離室に入れられた。面会に行くと鉄格子越しに立ったままで話をするしかなかった。内壁はコンクリートむき出しでペンキが剥げ、和式トイレから悪臭が漏れる「独房」だった。息子は母親に消臭剤を頼んだ。監視カメラはなかった。父親はこれは病院の報復と感じた。息子はうつになった。
8月27日、看護師を蹴ったことで被害届が出され警察が取り調べを行った。息子は「家族に迷惑がかかる。死にたい」と言い出し「前科がつくのでは」と心配し、うつ状態が悪化した。 =この項つづく


















