著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

嫉妬を前向きなエネルギーにするには? “心の余裕”が大切

公開日: 更新日:

 次にディニーンらは、大学院生49人を対象に、2年間にわたって彼らの就職活動を追跡するという調査を行い、プレッシャーの強さが異なる2つのケース(①比較的プレッシャーが軽い「インターン探し」と、②大きなプレッシャーがかかる本番の「就職活動」)を比較することで、嫉妬の傾向を分析しました。方法は先ほどと同じで、履歴書に嘘や誇張表現を用いるかどうかを調べるというものです。

 彼らの動向を追ったところ、②のケースでは嫉妬によって履歴書に嘘を書くことにつながりやすく、①は「もっと応募する」という動機から正直な履歴書を書き、努力を惜しまない傾向が確認されたといいます。

「悔しい」「うらやましい」という気持ち自体は悪いものではありません。ですが、この研究が示すように、心に余裕がないときは、嘘やズルという行動に走りがちになってしまう──。つまり、嫉妬を前向きなエネルギーにするためには、心に余裕がなければいけないということです。プレッシャーと上手に付き合うとも言い換えられます。

 例えば、「うらやましい、悔しい」という気持ちを素直に認めてみる。「別にうらやましくないし」などと自分の心に嘘をつくと逆効果です。そして、自分の良いところや価値を、普段から信じてあげることも大切です。自分を信じる力(自己評価)が高い人ほど落ち込みすぎないことが分かっています。嫉妬は、心の余裕があって初めてプラスの働きをもたらすのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風