乳がん化学治療の後の脱毛を抑制する「頭皮冷却療法」とは? 厚労省の承認から間もなく丸5年
「キャップを頭に密着させるので、頭痛、吐き気、あごの痛みなどを伴います。寒さも感じます。看護師、薬剤師、当院の美容室スタッフが一丸となり、キャップのあごひもをタオルで保護したり、密着程度を調整したり、電気毛布で寒さ対策をしたりなど、苦痛を軽減するようにしています。時に抗不安薬を使うこともありますし、施術中は折を見て声を掛けるようにしています」
国内で行われた臨床試験の結果では、頭皮冷却療法では、脱毛が目立たないレベルから、まだらに髪が残るレベルにとどまることが報告された。
「頭皮冷却療法をしても髪が全く抜けないわけではないのです。ただし、冷却しなければ毛髪がほぼなくなるのでウィッグを選ぶ際にはフルウィッグが必要になりますが、冷却した場合は『トップだけのウィッグ(トップピース)』で十分という方も少なくありません。また、今まで400人近くの治療をさせていただいていますが、当院ではこの治療でこれまで髪が戻らなかった患者さんは見たことがありません。何もしない場合は、数%ですが、抜けたまま生えてこない方もいるのです」
頭皮冷却療法は乳がんだけでなく、血液がんを除く抗がん剤による脱毛に有効だと考えられている。しかし、現在エビデンスがあるのは術前・術後に抗がん剤を受ける乳がん患者だけであり国内のガイドラインでの推奨はここにとどまっている。それゆえに虎の門病院でもこの対象に絞っており、同院治療中の乳がん患者であれば受けられる体制を整えている。


















